児相に導入された「一時保護時の司法審査」~本当に国連勧告の内容を満たしているのか?~

児童相談所による不当な連れ去り被害に遭われた方は、もしかしたら少ないかもしれません。しかし確実に存在します。
私の方でも、同じ被害に遭われた方がいるのではないかと、色々調べてみたのですが、
なんと…いくつかのニュースサイト、YouTubeのニュース動画、書籍、ヤフー知恵袋、X(旧Twitter)、noteなどのほうで、当事者の声を確認できました。
またそれだけでなく、保護先の児童養護施設の職員さんが人手不足を抱えていて、激務におわれていたり、里親さんが児相から子どもの説明を受けずに預けられたり、それぞれが一時保護に対して、さまざまな葛藤を抱えているようです。
そこで、国連勧告を満たすべく、2025年6月に新しく児相に導入された「一時保護時の司法審査」という資料を確認してみたのです。
すると驚くことに、国連勧告の内容に応じるどころか、問題を正当化する内容だったんですね。ただし、流し見すると対応したように見えるため、これが厄介なんですよ。
原文は専門用語が多く、非常に読みづらい設計となっておりましたので、本稿では資料に書かれていた内容をわかりやすくお伝えしていきます!
ついでに、気になった点についても解説していくよ!
はやく児相問題が解決してほしいね!
筆者の児相被害等の一連については、noteの方に書いてあります。
Contents
国連から勧告された内容
まず初めに、児童相談所への一時保護に対する国連勧告の内容について、確認していきましょう。
2017年 子どもの権利委員会による勧告
日本弁護士連合会子どもの権利委員会による「国連から見た日本の子どもの権利状況 日本の第 4 回・第 5 回統合定期報告書に関する総括所見」のうち、一時保護に関係する勧告の内容は以下の通りです。
- 親子分離に関する明確な基準を定め、最終手段としてのみに、親子の意見を聴取した後、一時保護の決定を行うこと。
- 子どもが親と接触する機会を過剰に奪われないようにすること。
- 里親への十分な支援、研修と監視の確保を行いつつ、脱施設化を実行に移す能力と、家庭基盤の養育体制を同時に強化できるようにすること。
- 施設や里親で暮らす子どもたちが虐待を受けないよう、虐待をおこなった者、施設、里親、子どもの不当な扱いを通報しやすくなる制度を導入すること。
参照元:日本弁護士連合会子どもの権利委員会 国連から見た日本の子どもの権利状況
日本の第 4 回・第 5 回統合定期報告書に関する総括所見
また、このパンフレットに書かれた内容によると、勧告を受けた2017年に児童福祉法が改正されたとも書かれておりました。
そこで、「2ヵ月を超えて一時保護を行う際に、親権者の同意がない場合、家庭裁判所によって承認を得ることになる。」という制度が導入されたんですよね。
しかし、2017年と言えば、筆者の妹がまだ児童養護施設にいた時代であり、児童保護法が改正されたとは信じがたいものだったのです。
当時の児童相談所の対応は、精神科の診断書を加害者と被害者をすり替えて捏造したり、私と妹の関係を共依存だと引き離したりする感じでしたね。
神里たちが保護されてたのって、2ヵ月以上じゃない?
心療科への入院を抜きにすると、大体5年間くらいかな?
妹は7年…!?
それでも親権者の同意を得るどころか、母によると「預けておくしかないね」としか言われなかったと聞くよ。
え!?それって法律違反じゃないの?
2022年 自由権規約委員会による勧告
「第七回総括所見」のうち、一時保護に関係する勧告の内容は以下の通りです。
- すべての子どもに対する、あらゆる差別や属性偏見を取り除くことを目的とした保護処置を採用すること。
- 法律を改正し、親子分離の明確な基準を設け、親子の意見を聞いた後、決定は最終手段のみにできるよう司法審査を導入すること。
- 子どもの保護は、子どもにとって最善の利益になるように保証できる法律にすること。」
参照元:自由権規約委員会 第七回総括所見
自由権規約委員会の勧告内容は、子どもの権利委員会の勧告内容と、大きな違いは見受けられません。
…ということはつまり、2017年の児童福祉法改正後も、児相による不当な連れ去りや、過剰な親子引き離しが続いていたと考えられます。
確かに、5~3年くらいのニュースでも、不当な連れ去りに対しての話題が取り上げられておりましたので、それは事実なのでしょう。
上部へ戻る「一時保護時の司法審査」作業チームについて
つづいて、この制度を作っていると思われる作業チームについても、いくつか気になる部分がありましたので、そちらの方も紹介していきます。
チームの構成については以下の通りですね。
自治体関係
- 児童相談所の所長
- 家庭相談支援センターの課長
のうちの4名
法曹実務関係者
- 家庭裁判所の判事
- 相談課担当の弁護士
- 法律事務所の弁護士
のうちの3名
学識等関係
- 法学研究科の准教授
- 社会的養護当事者活動の副代表
- 医療福祉学・臨床心理学の教授
- NPO法人副理事長
のうちの4名
この人員構成の気になる点は、当事者が1名で、それ以外は現場の状況を把握しているのか怪しい人たちであることですね。
1名の当事者が、実際に虐待を受けての保護であった場合、国連勧告の内容にもあった、過剰な引き離しに関する制度を考えるのは難しいでしょう。
本当に子どものためになる制度を作るには、虐待により正当に保護された当事者だけでなく、誤認で不当に保護された当事者など、複数の当事者がチームに参加するべきではないでしょうか?
また、児童相談所の所長だけでなく、現場を知っている職員さんの見解も含めたほうがいいように思いませんか?
あれ?法律関係の人多くない?なのにどうして法律違反しているの?
本当だな?これはもしかしたら、法律にギリギリ違反しないための制度設計にするためじゃないかな?
え!?だから一時保護の児童福祉法もおかしいんだね?
「一時保護時の司法審査」導入に伴った、児童福祉法改正の内容
まずは、改正前と改正後の児童福祉法を比較してみましょう。
保護の必要があると認めた場合、児童相談所が直接一時保護をすることも、適当な関係者が保護することも可能である。
改正前と改正後を比較してみると、警察から回ってきた子どもの保護と、行政内部で決められたルールによっての保護が追加されていることが確認できますね?
一応、元々非行少年向けの施設、虐待や親が病気の子向けの施設、障がいを抱える子向けの施設と違いはあるのですが、私のいた施設ではこれらの問題を抱える子が同じ場所にいたのです。
なので、よく知られている虐待からの保護だけでなく、心療科や精神科からの保護、自立支援施設からの移動、親が入管施設に入所させられてからの保護など、昔から保護範囲は広かったので、それを明確にした感じでしょうか?
業務委託先の詳細
また、適当な関係者…保護委託先についての資料もあり、そちらにはこう書かれていました。
児童相談所以外で一時保護を行うことができる主体として、以下が挙げられている。
- 都道府県知事の登録を受けた者
- 児童養護施設や里親
この制度では、都道府県知事が定めた基準を満たす者のみが、一時保護委託先として登録されることになっている。その代わりに、問題が生じた場合には、報告の徴収、命令、登録の取消しといった行政的な監督措置が取られる。
しかし同時に、児童相談所長および登録済みの委託先が直ちに一時保護を行えない場合には、最大2週間に限り、特別な規定に基づいて、登録を受けていない者に対しても、指示や報告を求めながら一時保護を委託できるとされている。
つまり制度上は、一時保護は原則として登録された者に限定されているものの、「緊急時」という名目のもとで、未登録の主体にも保護を委ねることが可能となっているんですね。
しかし、国連勧告の内容通りに、一時保護を最終手段の決定とすれば、ここまで満杯になることはないと思うんですよ。(あくまでも私の見解でしかありませんがね…)
これでは、子どもへの支援ではなく、主目的が保護にすり替わっている気がしますが、どうなんでしょう?
さらに資料では追記のような形で、「こども性暴力防止法」に基づき、学校設置者を登録対象に追加する旨が記載されていました。
これは、性暴力が発生し得る学校も、一時保護の委託先として登録され得ることを意味しているように読めますね。
仮にそうであれば、親による虐待だけでなく、学校側による虐待であっても、一時保護が行われる可能性があるということになります。
えー!?もはや家庭の問題じゃなくて、学校の問題じゃん?
ここまで来ると、一時保護は過剰介入だよね…
さらに、同じ資料によると、元々虐待の疑い段階の保護者は面会制限を受けない法律になっていたものの、実際には児相が面会制限が行っていたことで、正式に面会制限を行うように変更されたとも記載がありました。
これは、見方によっては、児童虐待防止法を児相が違反し、法改正で罪を免れたとも受け取れます。
またそれだけでなく、保育所などでの虐待が相次いでいたことをキッカケに、これらの事業所で虐待が起きた場合にも、児相への通報が義務化されるという内容もありました。
ちなみに、通報が義務化された事業所は以下の通りです。
- 保育所
- 幼保連携型認定こども園
- 家庭的保育事業
- 小規模保育事業
- 居宅訪問型保育事業
- 事業所内保育事業
- 認可外保育施設
- 一時預かり事業
- 病児保育事業
- 乳児等通園支援事業
- 放課後児童健全育成事業
- 子育て短期支援事業
- 児童育成支援拠点事業
- 児童館 等
えー?もう完全に親は関係ないじゃん?なんで血縁でも親戚でもない人からの虐待まで、児相案件になるの?
本来なら、虐待した保育士や職員を、処罰するべきなんだけど、どうしてそれが子どもの一時保護になっちゃうんだろうね?
一時保護の対象となる子どもの条件
つづいて、保護対象の子どもの条件は下記のようになります。
「虐待関係」
- 虐待を受けた子ども
- 虐待の事実が未確定だが疑いのある子ども
- 虐待をこれから受ける可能性のある子ども
実際に、虐待を受けた事実がなくとも、疑いや予測の段階で保護が可能。
「警察関係」
- 警察から通報があった子ども
- 少年事件として送られてきた子ども
警察が関われば、内容精査がなくとも保護が可能。
「自傷や加害関係」
- 自分や他人を傷付けた子ども
- 傷付けたかは未確定だが疑いのある子ども
- これから傷付ける可能性のある子ども
実際に、自傷や加害行為をしていなくても、疑いや予測の段階で保護が可能。
「救出関係」
- 助けを求める子ども
- 助けが欲しそうに見える子ども
- 助けを求めるかもしれない子ども
子ども本人の意思だけでなく、大人の主観であっても保護が可能。
「保護者関係」
- 親が入院した子ども
- 親が行方不明になった子ども
- 親が逮捕された子ども
- 親が死亡した子ども
- 家出をしている子ども
- 住む場所が不安定に見える子ども
親がいない、あるいは子どもが家出をしていると確定している場合だけでなく、一時的な事情や不安定に見えるだけの子どもであっても保護が可能。
「育児関係」
- 親に育てるのが難しいと言われた子ども
- それに近い発言をされた子ども
この場合は親の支援をするのではなく、まずは親子を引き離して子どもを保護する。
「その他」
- このままだと危険に見える子ども
上記に当てはまらなくとも、児童相談所が危険だと判断できれば保護が可能。
保護対象となる条件の範囲がものすごく広いですね…
中には、自傷行為や育児の悩みなど、家庭で支援しながら改善できそうな問題も見受けられます。
例え保護されたとしても、施設でのいじめや、虐待、ネグレクト、性犯罪などが起きていましたので、それが子どもにとって救いになるとは限らないんですよね。
それよりも、余計にトラウマを増やして大人になる人も少なくありません。
中には、確かに「保護されて助かった」という声も聞きますが、やっぱり少ないんですよ…
施設でもいじめと虐待に遭ったと語る人の方が、多いような気がします。
なんでもかんでも、保護対象にするのではなく、子どもの意思を聞いてどうするか決められるといいんですがね…
家にいても、施設にいても、同じ苦しむ運命ならどっちがいい?
えーっとね…やっぱり、安心できる人がいれば環境が厳しくてもいいよね!
そうだな!だから俺は圧倒的に「家」を選ぶ!
一時保護時の児童相談所の対応マニュアルについて
対応マニュアルについては、簡潔にまとめると下記のようになりますね。
対応マニュアル①「保護対象の子どもについて」
上部の内容と同じ
対応マニュアル②「一時保護の手続きについて」
<一時保護状の請求が必要な場合>
- 一時保護後、原則7日以内
- 親権者からの連絡が取れない
- 親権者が複数人いて、一部から同意が取れない
- 児童が外国人など戸籍謄本の取得に時間を要する
- 親権者の同意が曖昧
<一時保護状の請求が不要な場合>
- 親権者の同意がある
- 児童に親権者がいない
- 一時保護が7日以内に解除された
<一時保護状請求手続きについて>
- 親権者の同意の確認は、原則書面で行うが、諸事情により書面が難しい場合は、口頭での確認も可能。
- 児童相談所が親権者の意見をまとめた書類を裁判官に提出するのが基本。
- 親権者が書面作成を希望した場合、児童相談所を通して裁判官に提出する。
- 児童が書面作成を希望した場合も、児童相談所を通して裁判官に提出する。
対応マニュアル③「一時保護の準備・取り消しなどについて」
<提出資料の準備について>
- 児童相談所が保有する、児童に関係する書類を、抜枠•要約したものを提出するのが基本。
- 一時保護状の請求は、事実関係、親子の意見、それらを踏まえた児童相談所の所見をまとめた総括書類を作成する。
- 児童相談所が裁判所に提出した書類は、児童や親権者に送付されず、審査終了後は児童相談所に返還される。
- 裁判所は児童や親権者に事件記録を開示する権限はなく、児童相談所が開示請求に応じる。
<一時保護状を却下•取り消しする場合>
- 裁判所が一時保護を承認、あるいは却下した場合、事件記録は児童相談所に返還され、承認された場合は一時保護を許可される。
- 裁判所が判断した結果は、親子に対し、児童相談所が説明をして、却下するかを決めた後、ようやく保護が解除される。
- 裁判所が一時保護を却下しても、児童相談所が保護対象の条件に当てはまると判断した場合は保護が解除されない。
- 請求の取り消しは、裁判があった日の翌日から3日以内に限り行える。
- 裁判所が一時保護を却下した場合でも、児童相談所は新たな資料を、マニュアルを参考にしながら作成できる。
このマニュアルでいくと、一時保護の流れとしては…子どもをまず保護した後、7日以内に保護し続けるかどうかを決める感じですね。
アメリカではこれが、一時保護する前に、まず先に家庭裁判所で保護の必要性について話し合って初めて保護するそうです。
アメリカに比べて、日本のマニュアルは誤認保護が起きてもおかしくない設定になっていますね。
また、裁判所が一時保護を却下しても、児相はそれを取り消して、保護の必要性を再度示し続けられるというのが、気になりますね。
児童相談所の主導権が強すぎるのではないかと…
子どもと保護者の、自発的な書面作成も、直接家庭裁判所に提出するのではなく、必ず児童相談所を通さなければなりませんので、これでは実質、裁判官は書類を読むだけの司法審査を行っていることになります。
他にも、児童相談所の業務内容と時間についても書かれてありましたが…
ほとんどが、資料作成の業務で、たまに子どもと保護者と関わるような配分の仕方になっておりました。
これでは「児童相談所」というよりも、「児童保護資料作成所」になってしまいますね…
児相が見ているのは、子どもじゃなくて資料なの?
誤認保護の反対に、虐待が確定しているケースで、介入が遅れたりされなかったりするから、子どもを救えるかよりも、保護しやすいかどうかを見ている気がするんだよね…
過去に保護された当事者として思うこと
ここまで、一時保護に関する資料の内容について、まとめてきましたがいかがでしたでしょうか?
一貫して見てきて思うのはやはり、「国連勧告の内容に応じるどころか、問題を正当化している」ということですね。
ただ、私自身は、親から虐待を受けたことがあるのも事実ですし、育てにくい子どもであったことも事実であり、制度だけ見れば確かに保護対象だったんだなとわかるんですよ。
それでも、児相に通報したのは、心療科で私と妹を虐待していた加害者であったこと、施設では職員の人手不足でネグレクト状態にあったこと、入所している子どもから性暴力に遭ったことなどを思うと、一時保護はトラウマを増やすものだとしか思えません。
ここまでを保護先で経験していると、親の方がまだ、虐待した事実を認めていて、反省していますので、施設よりもマシだなと思います。
もしも自分が、児相だったら誤認保護せずにいられるのか?
虐待を受けていても親を愛している子どもを、そのまま保護せずにいられるか?
施設の職員だったら、激務な中で虐待やネグレクトをせずに、子どものことを優先して考えられるのか?
…と色々考えてるのですが、正直自信はありません。
それでも、制度の不備に真っ向から向き合うことはできるでしょうし、あからさまに子どもに暴力を振るうみたいなところは、止められると思うので、制度設計者と関係者たちには、努力していただきたいですね。
もうお願いだから、傷付いている子どもたちを、更に苦しめる制度を作るのはやめて!
そうだね…俺はなんとかしたくて、どうにもできないと知りながら、こんな記事を書いてしまうよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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